スティーブジョブス
最近では珍しく熱中して読んで読んだ本。今年のベストセラー。でも以前に読んだ【icon スティーブ ジョブズ偶像復活 】の方が捻りが効いていて面白かった。
公認?の自伝ではあるが、結構辛辣な事もデリケートな部分も「ありのまま」に綴っているのは評価したい。ジョブスの奥さんはジョブスが人としてどうにもならない欠陥を抱えている部分があり、そこは隠す事なく描いて欲しいと筆者に伝えている。また、ジョブス本人も明け透けに書いて欲しいと願ったとある。それが何処まで真実かは定かでは無い。
ボブディランの熱狂的なファンで、癇癪持ち。LSD等のドラッグ体験で「神の啓示を受けた」とも公言する、常識的にはビジネス世界では到底受け入れられないキャラクターの持ち主。カウンターカルチャーの申し子の様だが、それでいて「ジジ殺し」で、周りに魅力光線を放ち続けが、偏屈で特定の人へ理不尽極まりない対応をしたりする。一般的にはビルゲイツの方がサクセスストーリーしては判りやすい。アップルを復活させた「名経営者」というよりも、時代を動かしたクリエーターであった事は間違いない。
もっとも個人的にはアップルの製品は好きだけど、この男の下で働きたいとは思えないなぁ・・・もっとも働かせてくれるかどうかも判らないけど。
アップルとマイクロソフトのアプローチの違いについて語っているのが面白い。結果的にどちらも成功していて、どちらが優れているとは言い難い話だけど、どちらも「コンピューター史上最大の2大詐欺」?の当事者ではある。方やゼロックスのパクリ、方やMS-DOSを慌てて買収したのに「オリジナル」と言い張ったり。
しかし波乱万丈の物語は映画化のネタには十分なるし、連続ドラマで見たい気がする。出てくる登場人物はシリコンバレーの強烈なキャラの連中ばかりだし、IT業界の栄枯盛衰物語はフィクションよりもよほどドラマチックだ。
それにしても鼻の利く男だったと思う。また世界中で花を手向けられる企業の経営者ってのも居なかった。死んだ日に銀座のAppleStoreに行ったら、続々と花を手向けに来る人がいた。
これからどうなっちゃうのかな、このカリスマを亡くして。Appleはジョブスの「作品」だったのは間違い無かったからね。
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